2020年02月23日 [Default]
今から、一世紀半ほど前の1854年頃、マハーラーシュトラ州のシルディーという村に、白い衣に身を包み、ファーキル(イスラム神秘主義の行者)のような風体をした若者が現れた、背が高く、やせてはいたが、どことなく力にみなぎったところがある。何処から来たか誰にもわからない。
彼は一旦他所を彷徨った後、1858年に再びシルディー村に戻り、以来死ぬまで、そこを離れることがなかった。はじめの内、日中はニームの木陰にいて、夜間は地面に付して眠る生活が続く。村の人々が恵んでくれるわずかな食べ物によって暮らしていた。
村に定着するに及び、ヒンドゥー寺院を住処にするようになる。しかし、程なく、外見からムスリンと見なされてしまい、寺院から追い出されてしまう。それ以後、小さな土壁のムスクが彼の住居となる。その後も、村の住民からは無視されたり、奇人扱いされ続けた。
彼は、ほんの時折、ムスリンの祈りの言葉を唱えることがあった。しかし、奇妙なことに、モスクの中にせいか聖火を絶やさないのだ。まるで、バラモン(司祭階級)かパールシー(拝火きょうとでもあるかのように。ある日、灯明に使う油をもらおうと、村に物乞いに出かけた。しかし、人々は意地悪をして、彼に油を施すのを拒否する。
モスクに戻った彼は、油の代わりに水を満たし、聖火を灯し続けたという。この奇跡を目の当たりにした村人達が、彼をシルディー村の聖者として崇め、名声は徐々に広がっていく。
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