2024年12月27日 [ガン]
オートファジー理論は飢餓と成分再利用、疾病予防と治癒の関係を解明した理論
2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大おお隅すみ良よし典のり先生のオートファジー理論は、科学的な説明が難しかった断だん食じき療法の効果に対して科学的な説明と根拠を与えました。オートファジーは細胞が飢き餓が状態になったとき、不要なたんぱく質や脂質、核酸などを分解して再利用するしくみのことです。体内で栄養不足の状態が発生すると、細胞内部に脂質の膜でできた袋が出現します。この袋を「オートファゴソーム」といいます。そして、オートファゴソームが細胞内で使われなくなったたんぱく質や脂質、核酸、バクテリア、ウイルスなどの不要な物質を飲み込みます。次に、オートファゴソームと「リソソーム」という消化・分解の器官が結合し、袋の中身を分解します。分解された成分は再合成され、アミノ酸などの必要な成分が再利用されるのです。
オートファジーという現象自体はベルギーの生化学者であるクリスチャン・ド・デューブによって1950年代に発見されました。デューブは1974年にノーベル生理学・医学賞を受賞しましたが、この現象に関わる遺伝子や具体的なメカニズムは謎のままでした。
大隅先生は酵母を使った研究でオートファジーに必要な遺伝子群やメカニズムなどを世界で初めて解明しました。大隅先生の功績によってオートファジーが人間を含めた多くの生物でほぼ同様であることが判明し、オートファジーによる病気と治療の研究が一挙に広がったのです。
例えば、オートファジーがうまく働かないと、パーキンソン病や2型糖尿病、ガンなどの疾患につながることが分かってきました。逆にいえば、オートファジーが正常に働けば、パーキンソン病や糖尿病、ガンなどの病気を未然に防ぐことができるのです。さらに、オートファジーをより活性化することで、パーキンソン病や糖尿病、ガンなどの病気を治療することも可能かもしれません。
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