2019年09月11日 [Default]
メロンはチベット語で鏡を意味します。メロンはゾクチェンの教えに関係していて、ゾクチェンをする人つまりゾクチェンパが好んでお守りとして首にぶら下げます。単純に鏡のようになっているものや、十二支の動物とか占星術の印が彫刻されているものもあります。ゾクチェンの教えは通常の仏教とは違い、あるがままの無作為を大切にします。ゾクチェンは仏教とかボン教に括られず、顕教や密教とも属しないユニークな教えです。
僧侶在家も関係なく、チベットではいろいろな境遇の方で縁のある方がゾクチェンを学んでいたといいます。ゾクチェンの教えはウディヤーナ国やシャンシュン王国が発祥だと言われています。
ゾクチェンでは曇りない境地をリクパといい、それを鏡と例えるのでゾクチェンパは象徴としてメロンを大切にします。鏡に映る映像=つまり思考にとらわれない教えです。鏡に何が映ろうとも鏡自体はいつも透明です。鏡は真実の法身を現していて、純度が高い鏡は、すべての現象を区別なく反映する(写し出す)性質を持っています。
メロンとは関係ないかもしれませんが、鏡と言えば、密教では五智如来の一人としてアシュク如来がいます。大きな円鏡が森羅万象の万物の影をことごとく映すようにすべての真実を照らしだす。という五智の大円鏡智をアシュク如来は具体化しているとされています。
アシュクのサンスクリット名はアクショービヤといって「揺るぎない」という意味があり、ダイヤモンドように万物を救おうとする菩提心が揺るぎないことを示しているといわれます。由来は当方の千仏刹(千の仏国土)を越えたところに阿比羅堤(アビラダイ)という世界があり、その浄土で比丘が悟りを求める菩提心を発して、怒りを断って淫欲に溺れないことを誓って精進して悟りを得て成仏しました。師の大日如来よりその誓願と精進の堅固さを称えられてアシュクの名号を授かったといわれます。アシュク如来はその浄土で今も説法をおこなっているといいます。
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