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2022年06月13日 [聖者]

NO634・・・相談を受ける

NO634・・・相談を受ける

 私とウッシーがマンディールで瞑想していた時。ウッシーは、若い背の高いドイツ人の女性から声を掛けられる。少し、ウッシーに気がありそうなその女性は「ウッシー、何故日本人は、インタビュールームから手に何かを握りニコニコしながら出てくるの?」私は3か月滞在しているが1回もスワミに声を掛けられたこともないし、ましてインタビューなど受けたこともない。多くのドイツ人やアメリカ人も同じだと何故?何故?日本人だけ。



 ウッシーは答える。それは、貴女がスワミにお願いしないからだよ。「どうして、お願いするの?」スワミの日課は、ババ像に挨拶してガーデンで散歩するだろう。それを待ち伏せして、スワミ、私にインタビューをお願いしますと言えば良いんだよ。私はウッシーに言う。はっきり、ドネーションしなければ駄目だと教えろよ。ウッシーはう〜んと考える。私は追い打ちでお金、お金だとはっきり言ってやれよ。ウッシーは言えないまま翌日の光景を目にすることになる。



 女性は、ウッシーのアドバイス通り、スワミに「私にインタビューをお願いします。」と勇気を振り絞ってお願いした。スワミは、シーッと手を振って犬のように追い払った。彼女は、涙を流しながらウッシーがカバーする暇もなく、走り去った。ウッシー、これが現実なのだ。時には本当の事を教えてあげるのも友情と思うのだがな。



 その日の夜。捜索隊が出た。裏山のコブラが住む山の頂上を目指し彼女は死を求めたそうだ。朝方やっと確保され彼女は戻る。多少メンタルシックがある彼女に近づくことは出来ないまま、時が過ぎていく。もちろん、スワミはフォローをしない。その後、彼女は私たちの移動する行場について来るようになった。それでも、スワミはフォローしない。何時の日か、彼女を見ることはなくなった。



 これが現実なのです。それを知らない一人の男が、日本人のレクチャーが行われている時に全員の前で、私に当てつけする目的でスワミに質問した。スワミ!スワミ、霊性修行には、お金が必要でしょうか?勿論お金は要りませんよねと、と答えを誘導するように質問した。スワミは、横目で薄笑いをしながら私を見た。スワミと私たちは、すでに見破っていたので、私に合図を送りながら、「必要ない」と言った。誰一人としてざわめきもない。



 この頃、アシュラムでは、日本人に対する風当たりが強くなってきていた。私たちのグループが出来るまでは、自分たちの天下だったのに、日本人グループが出来てからは蚊帳の外の扱いで面白くない。外人、特にアメリカ人は幼児性が強く感じる。マリア様、マリア様と甘えるのが修行と思っているゆえか?また大学生は教師を友達と思っているように、師の影を踏まずが、尊しと教育されてない彼らは、時に日本人から見たら奇異な行動を起こす。



 ある日スワミは、外人と日本人の合同のレクチャーを行う為にジーザステンプルに全員を集めた。本来なら日本人の為のレクチャーの予定だったが、スワミは何らかの意図を持って全員を集めた。私は誰よりも早く今回初めて参加した人の為に、スワミの前に人数分座布団をおいて確保していたのだが、大男のアメリカ人が、のこのこと偉そうな振る舞いでぎりぎりでやって来て、その座布団を蹴散らし、自分がスワミの前に座った。その行動を見ていたスワミは後ろに行くように促した。



 また、この大男(身長190以上、体重120kg以上の一見紳士)はある日、私たちがインタビュールームでの打ち合わせが長くなり、何時までも出てこないスワミに腹を立て、ドアをどんどん叩き出した。アンクル、アンクルではなく、スワミ、スワミと叫びながらドアを叩き続けた。



 ウッシーに私は言う。あの大男をいつか締め上げんといかんと思っているのだが、どう思う?やりましょうよ。期待以上の答えが返ってきた。あの男は背が高く体重もあるが、下半身がもろいんですよ。もうすでに研究は終えていた。中国拳法を学んでいるウッシーは続けて言う。私が足を払って倒しますので、正観さんと健三さんでぼこぼこにしてくださいよ。難波の暴走族上がりの正観は勢いづく、私は喧嘩は弱いが、眼力では誰にも負けない。



 ウッシーの両親は、どちらも校長上がりで、親父はパジェロ(ジープタイプの車)を乗るようなアウトサイドな人間だそうで、母親は普通より男勝りだそうだ。4人兄弟で姉と下に弟が2人で4人とも京大卒のエリート家族で姉はアメリカ人と結婚している。会社を辞めインドに行くことをお母さんに相談したら、お母さんは、4人いれば1人くらいは、型破りが出るのは何の不思議もない。とケラケラと笑ったそうだ。私が男だったら同じことをしたよ。と賛成して頂く。



 正観さんも、お母さんは学校の先生上がりで、父親は南海電鉄に努めていたが、小学生の時に亡くなる。姉が一人おり、その姉は薬剤師になり開業医に嫁ぐ。その開業医に正観さんの消息を教えて頂く為に電話を入れたが、数年前より連絡が途絶えているそうなので心配している。正観さんは500万円を使い切ったあと、今後の事を心配していた。健ちゃん、僕な、姉の病院の運転手になれと言われるんやと淋しいそうな時があったが、・・・・その後、お母さんが亡くなったら家を正観にやるので、あんたは一生好きなタイで暮らして良いよと、姉から言われたと喜んでいた。グループが解散(使命が終わった)した後、インドの友人を頼って四国の久万高原で米作りをしていたが、数年前より新米の案内が来なくなった。



 翌日よりウッシーはガーデンで相撲のしこを踏みだし準備に備えたが、その気配を察したか?大男は大人しくなった。のだが、今度は女性が、外人女性に意地悪されるとの報告が舞い込んだ。チキンとか不細工とか言われるそうだ。外人から見れば背の低い、サリーの似合わない女が大手を振って歩いており、そのために自分らはスワミから見捨てられたと思っているのだから、仕方ないと言えば仕方ないが、ほっては置けない。KENZOにいうと一言いいなさい。それから女も大人しくなった。



 私は、外人女性の間では、無口で媚びを売らない男と思われていた。そして常に胸を張って歩く姿と眼力に怖さを感じていた。何のことはない。英語の出来ない私は、近寄れないようにしていただけだ。もし、私に英語が出来たなら、今の自分は存在しなかったろうと、神に感謝しているところです。

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