2022年07月05日 [聖者]
NO660・・・来日3回目2
2022-06-29 | 悟り
来日する付き人に長期滞在者の日本人の好青年を指名していた。通常スワミは一人で来ることはなく外人の男一人か二人と同伴して来ていたので、今回は私の作戦で、好青年を指名したのであります。この好青年の母親が私に会いにインドに来た時がある。当然息子を心配して来たのであるが、心配するには、心配するだけの理由があったのであります。
日本人グループが結成され、最初のプログラムをインドで行う事になったが、その時、多くの人に紹介して頂き、幸先の良いスタートが出来たのは、この好青年のお陰であり、私は遠くから見守り感謝をしていた。ウッシーと好青年は、エリート同士という共通点と育った環境も似ているようで、ウッシーは好青年を可愛がっていたので、私が余り深く関与しない方が良いだろうと思い、遠くから見守っていたのであるが、私が日本に帰っている時、今回好青年を指名しなければならない理由が発生していた。
インドで行う2回目のプログラムに引率してアシュラムに着き、プログラムを順調に進めていた時、ウッシーから重大な相談を受ける事になった。好青年が、行に必要なある物を取りに帰るようにスワミから命じられ、とんぼ返りで帰らなければならない強硬なスケジュールでインドに戻ったのであるが、一向にその行が行われないとウッシーがスワミに対して怒っていたのだが、軽くいなされるウッシーにはどうすことも出来なかったようだ。
それで困ってウッシーは私に全てを打ち明け、援軍を頼んだのである。KENZOさん、スワミにガツンと言って下さいよ。という事は、ウッシーも絡んでいたので責任を感じているのだろう。それがスワミの一本釣りというやり口で、後に私が禁止令を出した理由でもあるのですが、それでも、中にはスワミと直接交渉したい人もいて、実際した人もいるが、私には責任はない。
が、好青年には知らん振りは出来ない。私の腹心のウッシーが絡んでいるわけだから無視は出来ない。それで、スワミに催促するとバンガロールからケースを持った宝石商がやって来た。その中から私とウッシーでダイヤモンドを選んだのであるが、そのダイヤモンドを使った行は中々行われない。ダイヤモンドアッシズーと呼ばれる行であるが、スワミは行おうとはしない。
ダイヤモンドを手に握り、マントラを唱えながら火の前で瞑想すると化学結合が分解され、ダイヤモンドは粉々になるというミラクルである。その分解するエネルギーを手から吸収するものであるから、相当な価値はあるであろうが、行われない。これをどう、解釈するかが神の世界ゆえに難しい。例えば、全ての欲を捨てることが出来た人なら出来るが、欲が残っている人には出来ないとか?それで、欲が無くなるのをスワミはずっと待っている。とか、解釈が難しい。
その難しい行を何故?スワミは新人にさせようとしたのか?理解が難しい。先ず失敗は、それによって親が不信感を持ったという結果である。日本に帰って一晩親とゆっくりくつろぐ暇もなく、インドにとんぼ返りである。親としては、おかしいのではと思うだろう。変な宗教に嵌ったのではと心配するであろう。それも跡取りの長男である。母親は由緒ある老舗の誰もが知る会社の社長であり、父親は新宿で金融業の会社の社長と聞いた。そのどちらかの跡取りをしなければならない宿命で生まれて来ている。
好青年は、私から見れば真面目過ぎで、スワミを師匠に持てば20年はかかるなと思っていた。スワミの手法は高度でかなりの修行者でなければ着いて行けないだろうと思っていた。現生と神の世界のはざまで生きている人なので理解できる人は少ないであろうと思っていた。「きれいな水には魚は住めない」という、言葉があるように、神の世界も同じような世界である。
少し汚れた水の中で外敵から身を守りながら、神の世界を目指さなければ神の世界に至る事は出来ない。神の世界にたどり着けば純粋な世界であるが、そこに到達するまでは、汚い世界を見続けなければならない。人間の汚さを見続けなければならない。その世界であるのに、スワミは期待したのか、大事に思ったのか?いきなり高度な行を与えた。そして、一番大事な親に不信感を持たれた。
その人間の感情をかぎ分けることに対して聖者はうといと何人の聖者を見て私は思っていた。小学生には小学生に理解できるように教えなければならない。そして習う人も自分のレベルにあった人から学ばなければならない。それが、いきなり小学生が大学生の勉強を始めたのだから混乱はする。親から頼まれる私の立場は苦しい。縁ある人がババに近づいて、それを切り離なさなければならない。
母親からは、懇願するような長い手紙が送られてくる。どうするか?親を取るかババを取らせるべきか、決断が難しい。私は決断した。親を泣かせる修行は。好青年にさせるべきでなかろうと決断した。そして、付き人に指名し、聖者の実態を見せることにした。直立不動でスワミの後ろに立ち、私とスワミの交渉の全てを聞いている。私も普段よりは、大げさに交渉している。中身はお金に関する言い合いである。少し普段より、大げさな実態を見せた。その後、彼は姿を見せることはなかった。スワミも私の作戦を来日前から感づいていたのであろう。一切文句を言う事はなかった。
須藤さん「世間が思っているような立派な叔父ではないのですよ」と中村天風先生の姪の中村有美さんと、真冬の池の行から、肩を寄せながら宿に帰る時、こっそり、つぶやきなら教えて頂いた言葉を忘れる事が出来ない。
そのような状況の中、全てのプログラムは順調に終わる事が出来、最後まで帰る事のなかった、魂のレベルが高い夫婦とナターヤFUMIと4人で夢を語り合った。この旦那さんは、インドのプログラムに参加したことがあり、私の全ての行動や采配に感激して頂いていたそうであります。難しい我の強い生徒達をよく束ね、細かい事まで気を配り、普通の人には絶対出来ないであろうと思って頂いていたと、後からナターヤFUMIから聞くことになった。その奥様とは、初めての面識であったが、奥様からお風呂のドネーションとして250万円振り込まれたのです。その後、何か思うところがあったのでしょう。プログラムに参加することも、会う事も無いし、連絡もない。少し寂しいが、これが見返りを期待しないドネーションかと勉強させられた。普通なら、もうお風呂は出来ましたかとか連絡があるであろうが、一切何もない。今、どうしているかなと思わせる夫婦の思い出でもあるし、このような方と巡り合えることが、セバ行は苦しいがバネになっているように思っている。
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