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2025年01月16日 [ソマチッド]
沈黙の世界(ピカート)とガン 2
僕(「ガン呪縛を解く」著者)が千島学説に出会ったのは学生時代のことだった。その当時、実はいつも愛続していた本があった。それは「沈黙の世界」で、マックス・ピカートの著作である。
ドイツの医師だったピカートは、やがてシスのルガノ湖畔に居を移し、思索と著作活動で晩年を送ったが、「沈黙の世界」はそんなピカートが長く深い瞑目と思索の果てに生み落としたものだった。
ピカートは、「沈黙は人間の根本構造をなすもの」で、「沈黙は一つの存在せるもの、一つの生きて働いている現実である」という。
沈黙には始めもなければ、また終わりもない。
沈黙は、いわば創造に先立って在った永劫不変の存在のようだ。
沈黙は目で見うるものではない。しかしそれは明瞭に存在している。沈黙はどのような遠方へでも伸び広がってゆく、しかもそれは常にわれわれの身近にある。
沈黙からは、大きな治癒力と援助の力とが放射している。それは、もろもろの事物のなかに蔵されている侵すべからずものを強め、搾取と略雑とが諸事物に与えた傷害を柔らげる。
そして、諸事物を破壊的利用の世界から全き存在へと奪い返すことによって、それらを再び完全にするのである。沈黙の中には、あの聖なる荒野がある。
沈黙においては、存在と作用とは一体をなし、融合している。沈黙は、その中に住む諸々の事物に、沈黙の有する存在の力を分かち与えるものである。
続く
ドイツの医師だったピカートは、やがてシスのルガノ湖畔に居を移し、思索と著作活動で晩年を送ったが、「沈黙の世界」はそんなピカートが長く深い瞑目と思索の果てに生み落としたものだった。
ピカートは、「沈黙は人間の根本構造をなすもの」で、「沈黙は一つの存在せるもの、一つの生きて働いている現実である」という。
沈黙には始めもなければ、また終わりもない。
沈黙は、いわば創造に先立って在った永劫不変の存在のようだ。
沈黙は目で見うるものではない。しかしそれは明瞭に存在している。沈黙はどのような遠方へでも伸び広がってゆく、しかもそれは常にわれわれの身近にある。
沈黙からは、大きな治癒力と援助の力とが放射している。それは、もろもろの事物のなかに蔵されている侵すべからずものを強め、搾取と略雑とが諸事物に与えた傷害を柔らげる。
そして、諸事物を破壊的利用の世界から全き存在へと奪い返すことによって、それらを再び完全にするのである。沈黙の中には、あの聖なる荒野がある。
沈黙においては、存在と作用とは一体をなし、融合している。沈黙は、その中に住む諸々の事物に、沈黙の有する存在の力を分かち与えるものである。
続く