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・世界長寿郷を６０数回も実地調査（STAP細胞の正体P298より抜粋）

　なお、森下博士の業績で、さらに特筆しておくべきことがある。それが、長寿郷の探訪調査だ。先生は、そのきっかけを語る。「１９７０年代に発症した戦中派（大正１３〜昭和５年）のガン患者は、森下食事療法に対して不思議なほど良好な反応を示しました。

　勝手に治療して治って行ってしまう。この時、頭にひらめいたことがあります。森下食事療法の内容が世界的長寿郷・百歳長寿者たちの食生活と酷似するのではないか、と直感したのです。

　とにかく、当時の長寿郷では、１５０歳の老人たちが多数生存していたのですから！・・・・」思い立ったら即行動の森下博士は、早速、１９７５年、「森下世界長寿郷、調査団」を結成。

　それから、年に２，３回というハイペースで、コーカサス、グルージアを振り出しに、世界長寿郷の実地調査を行っている。「以来、コーカス山脈・南麓、パミール高原周辺、そして中国の主要長寿郷等などを、４０年間に、約６０回にわたって現地調査を済ませた事になりますね」

　先生はしごくアッサリと仰る。しかし、これは並大抵の体力では、こなせない仕事だ。なぜなら、これら世界の長寿郷は、いずれも、鳥も通わぬ程の秘境地帯に点在するからだ。

　齢８７歳にして、体力は頑強無比、そして、気力は充実横溢（おういつ）・・・・その森下博士にして、出来た壮挙と言える。