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2021年06月04日 [Default]
NO260・・・嘘と方便(24)
NO260・・・嘘と方便(24)
ゴータマ・ブッダと弟子のアナンダが、ある日、町にむかって歩いていた。
彼らは途中で道に迷ったらしく、日没の時刻になっても町には着かなかった。アナンダはしだいに不安になってきた。ブッダは年老いた身で、しかも病気だった。それにもかかわらず、一日中歩いている。彼には夜ゆっくりと休めるところが必要だった。
ちょうどそのとき、道のかたわらでまきを集めているきこりがいた。
アナンダが彼にたずねた。
「町まではどれくらいあるかね?」
きこりが言った。
「心配しなさんな。せいぜい二キロってところでしょう」
きこりの言葉は、アナンダに新しいエネルギーを与えた。
ブッダは微笑んだ。アナンダは、なぜブッダが微笑んだのかわからなかったが、すでに疲れていたので、そのままにしておいた。
それから、彼らは二キロ以上歩いた。しかし、町が近づいたようすはなかった。あたりは薄暗くなりはじめていた。道のわきに一軒の農家があったので、アナンダがそこにいた老婆にたずねた。
「町までどれくらいあるかね?」
すると、老婆が言った。
「あと二キロ、ここまでくれば着いたようなもんじゃ。もうちょいと頑張りなされ!」
アナンダがつぶやいた。
「さっきの男も二キロと言い、またこの老婆も二キロと言う」
ブッダがまた笑った。そして、言った。
「たぶんそうなのだろう。あと二キロ、歩くとしようか」
そして、二キロは歩いただろう。だが、依然として町は見えなかった。アナンダはますます不安になっていった。
ちょうどそのとき、むこうのほうからひとりの男が歩いてくるのがみえた。
彼なら町までどれくらいか知っているにちがいない、彼は町のほうから歩いてきているのだから・・・、アナンダはいきおいこんで彼に声をかけた。
「町まであとどれくらいあるかね?」
男が言った。
「どれくらいかですって? そうですね、ちょうど二キロってとこでしょう」
それを聞くと、ブッダがまた微笑んた。
「もうたくさんだ!」とアナンダが叫んだ。「このあたりの人たちはほんとうに奇妙だ。だれもがあと二キロだと言う。だが、そうやって、我々はもう四キロ以上も歩いた。そして、それでもまだ二キロだと言う。そして、あなたは笑っている。あなたは、私が不安になるをの笑っているにちがいない!」
ブッダが言った。
「アナンダ、おまえはわかっていない。これこそ、私が生涯ずっとしてきたことなのだ。ここの人たちはたいへん慈悲深いにちがいない。彼らは、二キロではないことを知っている。しかし、そうやって私たちを四キロ先まで進ませてくれた。彼らは嘘を言っている。だが、その嘘は慈悲以外のなにものでもない。
だから、私は笑っていたのだ。おまえを笑っていたのではない。私は、これこそ私が生涯してきたことだと思って、笑っていたのだよ。人々が、光明はどれくらいさきにありますかとたずねると、私は『あと二キロだ、もう少しだ』と言う。そして、それはつねにあと二キロだ。
しかし、それによって人々は、旅を続けることができる。彼らは近づきつつある。だが、あと二キロ・・・それはつねに変わらない。ここの人たちはとても慈悲深く、しかも人間の心理をよく知っているようだ」
■コロナ情報・・・人類は滅ぶ可能性がある
宇宙が生まれて百数十億年、あるいは地球が生まれて46億年、生命が生まれて38億年、その中で僕たち人類の歴史はほんの一瞬にすぎません。しかしそんな僕たちが地球を変え、生命も変えようとしている。
ゴータマ・ブッダと弟子のアナンダが、ある日、町にむかって歩いていた。
彼らは途中で道に迷ったらしく、日没の時刻になっても町には着かなかった。アナンダはしだいに不安になってきた。ブッダは年老いた身で、しかも病気だった。それにもかかわらず、一日中歩いている。彼には夜ゆっくりと休めるところが必要だった。
ちょうどそのとき、道のかたわらでまきを集めているきこりがいた。
アナンダが彼にたずねた。
「町まではどれくらいあるかね?」
きこりが言った。
「心配しなさんな。せいぜい二キロってところでしょう」
きこりの言葉は、アナンダに新しいエネルギーを与えた。
ブッダは微笑んだ。アナンダは、なぜブッダが微笑んだのかわからなかったが、すでに疲れていたので、そのままにしておいた。
それから、彼らは二キロ以上歩いた。しかし、町が近づいたようすはなかった。あたりは薄暗くなりはじめていた。道のわきに一軒の農家があったので、アナンダがそこにいた老婆にたずねた。
「町までどれくらいあるかね?」
すると、老婆が言った。
「あと二キロ、ここまでくれば着いたようなもんじゃ。もうちょいと頑張りなされ!」
アナンダがつぶやいた。
「さっきの男も二キロと言い、またこの老婆も二キロと言う」
ブッダがまた笑った。そして、言った。
「たぶんそうなのだろう。あと二キロ、歩くとしようか」
そして、二キロは歩いただろう。だが、依然として町は見えなかった。アナンダはますます不安になっていった。
ちょうどそのとき、むこうのほうからひとりの男が歩いてくるのがみえた。
彼なら町までどれくらいか知っているにちがいない、彼は町のほうから歩いてきているのだから・・・、アナンダはいきおいこんで彼に声をかけた。
「町まであとどれくらいあるかね?」
男が言った。
「どれくらいかですって? そうですね、ちょうど二キロってとこでしょう」
それを聞くと、ブッダがまた微笑んた。
「もうたくさんだ!」とアナンダが叫んだ。「このあたりの人たちはほんとうに奇妙だ。だれもがあと二キロだと言う。だが、そうやって、我々はもう四キロ以上も歩いた。そして、それでもまだ二キロだと言う。そして、あなたは笑っている。あなたは、私が不安になるをの笑っているにちがいない!」
ブッダが言った。
「アナンダ、おまえはわかっていない。これこそ、私が生涯ずっとしてきたことなのだ。ここの人たちはたいへん慈悲深いにちがいない。彼らは、二キロではないことを知っている。しかし、そうやって私たちを四キロ先まで進ませてくれた。彼らは嘘を言っている。だが、その嘘は慈悲以外のなにものでもない。
だから、私は笑っていたのだ。おまえを笑っていたのではない。私は、これこそ私が生涯してきたことだと思って、笑っていたのだよ。人々が、光明はどれくらいさきにありますかとたずねると、私は『あと二キロだ、もう少しだ』と言う。そして、それはつねにあと二キロだ。
しかし、それによって人々は、旅を続けることができる。彼らは近づきつつある。だが、あと二キロ・・・それはつねに変わらない。ここの人たちはとても慈悲深く、しかも人間の心理をよく知っているようだ」
■コロナ情報・・・人類は滅ぶ可能性がある
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