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　ソマチッドと７１４Xの真実　　P１１２より抜粋

　ネサーンはこのソマチッドを見つけた時、「殺してみよう！」放射線を当ててみた。するとソマチッドは死ぬどころか、かえって活性化してしまった。環境が悪化するとレジスタンスを起こして生き延び、放射線を当てて殺そうとしてもソマチッドは死なない。

　ソマチッドはまさに不死身の不思議な小さな生命体であった。ネサーンがソマチッドを殺そうと実験したところによれば、ソマチッドは摂氏２００度以上の高熱の中でも決して死なず、普通なら間違いなくどんな生物も殺してしまう５万レムの放射線にも耐えて生き延びる。

　また、強烈な酸の影響もまったく受けず、強力な遠心分離機にかけても無事であり、通常「殺菌」に利用している紫外線を放射してもびくともしない。

　さらに、ソマチッドサイクル中の菌糸体形態はカタチも性質も菌類に似ている為、ひょっとしたら抗生物質で殺せるかも知れないと考え、大量の抗生物質を投与してみたが、まったく何の影響も受けずに変化成長し続けた。

　とにかくどんな方法で殺そうと試みてもソマチッドは平気なのだ。ソマチッドが命をもたない単なる物質なら、それも十分にありえよう。しかしソマチッドは培養基の中にあって次々と変化する。

　ある時はバクテリア状のものに、ある時は細菌のようなものに、そしてある時はウイルス状、菌糸体状のものにと・・・・・。しかも環境が悪化するとレジスタンスを起こして延命策を講じ、環境が改善されると再び変化のサイクルに戻っていくのだ。

　この事実は、ソマチッドが環境の状態を自らキャッチする能力を持っていることを示すものであり、そして環境変化に対する柔軟な適応こそ生命体ならでの営みだ、ということから、ソマチッドが生命体である事に間違いない。なのに、ソマチッドは不死身にして不滅性を有する不思議な生命体なのである。

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